ある老いた紳士の嘆き
ある日、私は、サイトの件でお世話になっている男性にメールでたずねた。「お礼に、なにかできることがあったら教えてください。私のヒーリングでできることならなんでもしますよ。」と。
彼の返信には、「最近元気がないのでパワーアップしたいですね」と、書いてあった。
そこで、どんなヒーリングをしようかと迷った末に、「若返り効果のある」ヒーリングをすることにした。そして、ヒーリングを始めてから約1週間たったら、その後の変化を教えてくれるように頼む。
1週間後のメールは、彼がはじけている様子が目に浮かぶようなパワフルでアクティブな印象を受ける内容だった。内容と言うよりも、そういった波動を感じた、というほうが正確かもしれない。
そして、思わず「本当に元気になっただけ?」「他にもなにかいいことがあったのでは?」と、余計なことを考えてしまった。
それからかなりたったある日、猫好きな私が、猫に会いたくて通っているとある店にいると、いきなり元気良く70歳ぐらいの紳士と、もう一人の男性が入ってきた。
その紳士は、ハットをかぶりかなりおしゃれな印象。もう一人の男性は、まるで彼の部下のように彼に気を遣っていた。
そして、他にあいている席があるのに、私の隣に座った。
私は、その店で、猫を撫でたり、話しかけたりするのが好きで、他のお客さんと話をするのは好きではない。
しかし、そのときは、いつのまにか、隣で大きな声で大きな話をしているその老紳士のペースにのせられ?、適当に話を合わせるようになってしまっていた。
内心「そろそろ帰ってくれないかしら」「話をするのをやめてくれないかしら」と思っていた。
しかし、残念ながら彼の話は続く。
自分は、とても裕福な家に生まれ・・・、どこどこの大学を出て、会社を始め、豪遊して、愛人もたくさんいて・・・、彼の自慢話は延々と続いていく。
私は、自慢話ばかりをする男性が好きではないのだけれど、そのときには、なぜか、その老紳士を無視できなかった。
彼が亡くなった母親や奥さんの話をしたときに、ちらっと寂しさや後悔の念を見せたからだったかもしれない。
一緒にいる男性が、優しそうな笑顔を浮かべ、「すまないね」という表情を見せていたからかもしれない。
しかし、もう限界!このままでは、いつまでたっても猫と静かに話ができない、と思ったとき、ママに精算を頼んだ。
続く